自分が使っている楽器について

持っている楽器

自分が持っている主な楽器はB管が4本とA管が2本、そして特殊管としてえすくらとばすくらが1本ずつ。特殊管は置いておくとしてB管とA管にスポットを当てると、初めてのMy楽器R13改、1969年製造でニッケルメッキ仕様のR13Old。この2本はA管の相方が今のところいないのでB管単体での使用。ジャンク扱いで手に入れた1958年製造セルマーのセンタードトーンB管は同じく1961年製造セルマーのシリーズ9のA管とセット。こちらは最近あまり使ってなくて特にシリーズ9のA管が宙に浮き気味。今年還暦だけどコンディションは比較的良好ですが…。そして最近メイン使いになってるのが今回ご紹介するヤマハのカスタムAEのABセットです。


なぜAEを使っているか

カスタムAEのABセット


こちらが現在のAEセット。元々先にA管を中古で購入。R13改とセットにして使ってきてましたが、昨年ネット偶然AEのB管を発見。これは!と思い即断で購入。無事にABセットで揃えることができました。2本ともなかなか状態がよかったので、いい楽器に巡り会えたと思います。
さて、なぜ自分が今メイン楽器としてAEを使っているのか?まず、AEは現在作られていない楽器です。ヤマハのカスタムの中ではラージボアで抵抗が強かったため、CSやSEほど人気がなかったと言われているAEは出回った本数が少ないので、そもそも使っている人が少ないという点が挙げられます。ましてやABセットで使っている人なんてそうそういないのでは。人気のある機種だと使っている人も多いため似たような音になりがちですが、人が使っていない機種だとそれだけで個性のある音色を作ることができるため、技量が弱い自分にとっては音色で個性を主張できる楽器とも言えるわけです。
次に、この楽器は今となってはそんなに高いランクの楽器ではありません。無印のヤマハカスタムシリーズだとCXとSE、そして今は廃盤になっているCSとありますが、この楽器は以前メインで使っていたR13よりは値段においてはランクが少し下です。しかし、カスタムシリーズなので高級機種と同じように作られているので、このあたりからは好みで機種を選ぶ領域になっています。AEは音色としてはダークでそんなに明るくない音なのですが、自分の目指したい音としては理想的な音でした。


自分の音の傾向って?

自分の音はどんな傾向か。実は昔、ツイッターで長くやりとりしているフォロワーさんから自分の音は国で言うとドイツ的な音だと言われたことがあります。その時のやりとりが頭に残っていて、ベームクラリネットを吹いているにも関わらずエーラークラリネットの音を研究していました。もちろん、完全にエーラーの音をベームで出すことは不可能ですし、全く同じ音を出そうとは思っていません。ただ、自分が吹いた音を聞いてもらった時に「なかじーさんの音だ」と分かってもらえる音を目指したい。それは自分の目標でもありました。R13改がいろいろいじりすぎて行き詰まりを感じていた中で見つけたAEのB管。自分が購入に踏み切ったのは必然だったかもしれません。
ちなみに仕掛けはマウスピースがバンドレンのBD5(442仕様と440仕様の両刀使い)、リードがアルンドスのカルメン(硬さは3)、リガチャーがシルバースタインの初期型のものを使っています。


勢いで買ったけど後悔はしていない

吹奏楽では音色が明るくないのでパワー不足かもしれませんが、もしパワー不足だと感じたら先の2本のR13のうちどちらかを使えばいいし、AEでもパワーのあるリードを使えばまた印象が違ってきます。でもAEを使ってて後悔は全くありません。むしろ手に入りにくくなった楽器をセットで使えるのはささやかな自慢になっています。最近の楽器って、本当に個性のある楽器って数少なくなってきてますが、このヤマハの古い楽器は目立ちにくいけど十分な個性を持っています。そういう意味では、他のどんな高い楽器の音色にも負けていないと自分は自信を持っていえるかなと思います。もちろん、アマチュアの範疇でのことですが…。

この文章はジオン軍ポメラ(DM11G)で執筆しました

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バレルとベルの油漬けその後

遅くなりました…

金曜土曜と用事があり遅くなりましたが、先週油漬けにしたバレルとベルがどうなったかの続報です。まずは写真から。

油漬けから引き上げたバレルとベル

実はこれ金曜土曜が忙しくなるので木曜の夜に引き上げた直後の状態だったりします。少しは膨張するのかなと思いましたが、そこまではなくリングは外れたまま。ベルリングも回転しています。ただし黒々としたツヤは戻った印象です。


そして2日放置

金曜土曜と放置して今日様子を見てみましたが、少しツヤが落ち着いたかなと思いました。木の膨張はおそらくセンタードトーンをオーバーホールしたときに湿気を与えていたので、湿度の方が関係しているかもしれません。

ちなみに表面をオイル塗りしてみてたセンタードトーン本体ですが、何度か塗り塗りした後に吹いてみたら相変わらず音程高めでした。全タンポ交換とかもう一度したほうがいいかもしれませんが、当分は440仕様のマウスピースで吹くのが無難のようです。

(遅い時間だったので今日はPCで直接書きました)

オイル漬けの実験(バレルとベルだけ)

予定が狂って

本当だったらリモートレッスンがある日でしたが、父の具合がよろしくなくてデイサービスに行けなかったため家で楽器が吹けなくなり日程を変えていただきました。やはり親の介護とかがあると家で楽器ってなかなか吹けないものだなあ…
仕方がないので出来る範囲で楽器のメンテナンス(主に磨き)をしておくことに。バスクラのベルを磨いて、他にないかなと考えたら1本の古いクラリネットを手にしていました。


元々はジャンク品

10年ほど前にヤフオクでジャンク扱いのものを入手したセンタードトーン君。入手直後に8万円かけてオーバーホールしたものの、使用頻度はそこまで増えず。つい先日久々に引っ張りだして吹いてみたら乾燥のせいか音程がめちゃくちゃ高くなっていました。
これはいかんと思い、こちらもしばらく使っていなかった亜麻仁油を上下管体表面に塗り、使っていないスワブに亜麻仁油をつけて内部を通しておいたけど、また使わなくなったら同じことの繰り返しかな…と気になってきたときに思い出したことが。
3年前の1月末にR13改君を地元の楽器屋さんにオイル処理してもらったら音がわりとよくなったというブログの記事(2回に分けて書いてました)。ただまたこの楽器をオイル処理オーバーホールに出すとまた結構な金額が飛んでいきそう。R13改のときでも結構痛い出費だったので、ここはしばらく辛抱かな…と考えていたら付属のバレルとベルが。
「そういえばこのバレルとベル使ってないな…だったら」。


ジップロック発動

使ってないならいろいろ実験として使えそう。なのでバレルとベルだけでもオイル漬けできないかと。バレルもベルも元から乾燥しきってリングは外れるしベルリングは回り放題。どちらもグラナディラが乾燥して油分が抜けきって縮んじゃってる感じ。なので亜麻仁油に漬け込んで放置してみたらどうなるか。実際にやってみよう。

オイル漬けにしたセンタードトーンのバレルとベル

写真のようにジップロックの中に亜麻仁油を入れそこにバレルとベルをドボン。油の量が少ないですが自分にとっては貴重品なので少し浸かるくらいで。バレルもベルも亜麻仁油を表面に塗ったらグラナディラのつやや光沢はでてきたけど、木の内部までしっかり浸透したら縮みも元に戻ってくれるのか?
とりあえず1週間ほど漬け込んでみます。なおこれはあくまでも実験で、亜麻仁油は火気を近づけると発火のおそれがあります。よい子は決して真似しないでね。

この文章はジオン軍ポメラ(DM11G)で執筆しました

初心者に「本当に」オススメしたいクラリネット

3年半ぶりです…

 前回更新したのが3年前の大晦日…、はい、ずっと放置しておりました。スミマセンm(_ _)m
特にこれから毎回…という更新にはならないと思いますが、ふと思いついたことがあったのでペン…ではなくキーボードに向かったわけです。
 ちなみに今回から文章はジオン軍ポメラことDM11Gで書くことにしました。
 古いガジェットなので変換はお馬鹿さんで折りたたみギミックも破損してしまいましたが、新たな役割ができたのでよしとします。


1万円や3万円のクラリネットをオススメしないで

 さて、今回このブログを書こうと思ったきっかけなのですが、自分がふと「初心者の人にオススメするクラリネットっていうと自分だったらこの機種だけど、ネットにはどう書かれているんだろ?」と思ってググってみたら、まあひどいことひどいこと。ランキング形式で書かれてある記事には上位に1万円や3万円の「クラリネットの形をしたオモチャ」が並んでいるものが多いこと。いや、それはないでしょ。
 1万円や3万円といった安いクラリネットは値段が安いだけでデメリットだらけなのです。いわば「安物買いの銭失い」。ざっと思いつくだけでもこれだけあります。

買った段階での調整が悪く吹きにくい。

 安物楽器は品質もよくないので、きちんと調整されたものはまずありません。吹こうとしても、音が出しにくく、出せたとしても奏法に悪い変な癖がついてしまいます。

壊れたときや調整したいときも楽器屋さんで取り扱ってもらえない。

 メジャーメーカーの楽器と違って安物楽器は楽器屋さんで修理してもらえません。メジャーメーカーであれば部品などのフォローがきちんとされているのですが、安物楽器ではそこまでのフォローがされていません。

材質がショボい

 安物楽器はたいていプラスチックで作られているものが多いです。まれに木製の楽器もあるのですが、メジャーメーカーで使われている「グラナディラ」ではない木材が使われています。メジャーメーカーでも安い楽器ではプラスチック製のものはありますが、音色はきちんとした楽器と比べると雲泥の差です。

 他にもいろいろとあると思いますが、以上の理由により安物楽器はオススメできません。ではなぜこのような楽器をオススメしているサイトが多いのか?
 それはアフィリエイトという広告収入のためだと思われます。商品のリンクをクリックさせて、その回数によって収入を得られるシステムです。安い楽器であれば、クリックされる回数も多くなるだろうと考え、そのような楽器をランキング上位に書いてあるのです。そのようなサイトは「自分のためのランキング」であり、本当に楽器を探している初心者のためのランキングではありません。くれぐれも騙されないように…


どんなメーカーの楽器がいいの?

 では先ほどからメジャーメーカーの楽器と言いましたが、具体的にはどのようなメーカーがいいでしょうか?クラリネット初心者が扱いやすいメーカーだと、以下のメーカーが挙げられます。
 ・ ビュッフェ・クランポン
 ・ ヤマハ
 ・ セルマー
 上記3メーカーなら、地方の楽器屋さんでも取り扱っていることが多いので、オススメできます。この他にもバックン、ルブラン、ヨーゼフ、ユーベルなど、いろいろなメーカーがありますが、このあたりのメーカーは地方では扱っていないことが多いのでまたの機会に紹介します。


個人的初心者にオススメなクラリネットランキング5+1選

 ここからは、個人的な主観ですが初心者に「本当に」オススメできるクラリネットをご紹介いたします。吹き手との相性や予算の関係もありますが、1本目はこの中から選ぶと間違いないと思います。あくまで個人的な感想です。

第5位 ヤマハ・YCL-650(2021年現在税込定価236,500円)

 ヤマハのプロフェッショナルモデル・YCL-650(以下650)を5位にしました。カタログの説明文によると「カスタムモデルの設計思想を惜しみなく注ぎ込んで完成した、プロフェッショナルモデル」とあります。
 個人的な感想だと、この楽器はヤマハならではの安定感があります。初心者にとってもほどよい抵抗感があるので、音色も一番下のクラス(YCL-450)よりまろやかな音がします。以前であれば20万円以下で買える楽器だったのですが、この値段になってしまったので5位になりました。

第4位 セルマー・プロローグ(2021年現在税込定価297,000円)

 セルマーのエントリークラス楽器・プロローグが4位です。この楽器はセルマーの最上位楽器・プリヴィレッジ、姉妹楽器プレザンスの系譜を持つ楽器で、前記2機種の音色を持ちながらコストを抑えている楽器です。細かいポイントを挙げると、ベルリングを変えることができ、気分を変えることができます。セルマーの楽器は吹き手との相性が大きく、合わない人には全く合わないのですが、合う人にはものすごく合います。また、どちらかというとあまり明るい音ではないところがあります(それがセルマーの持ち味でもありますが)。

第3位 ビュッフェ・クランポン・E13(2021年現在税込定価357,500円)

 ビュッフェ・クランポンの中級クラスクラリネットの王様、E13が第3位です。この楽器はスチューデントモデルのクラリネットとしてはバランスのとれた楽器で、上位モデルのC13よりも人気があります。数年前にリニューアルされ、ベルの先端が平らになり、パッドもレザーパッドになって耐久力が上がっています。このクラスの楽器であれば高校生の部活でも十分に使えるレベルの楽器といえます。以前と比べて価格が高価になったため、この順位にしました。

第2位 ビュッフェ・クランポン・E12F(2021年現在税込定価214,500円:標準パッケージ)

 ビュッフェ・クランポンのエントリーモデルE12Fが第2位です。第3位のE13と比較すると音色では劣りますが、この値段でレザーパッドを装備し、初心者でも吹きやすい楽器のためE13よりも上位としました。また価格も標準パッケージだとお求め安い価格帯になっています(トラディショナルパッケージだと税込236,500円)。第5位の650と比較するとこちらの方が新しく発売されたモデルなので、扱いやすいモデルとなっています。

第1位 ヤマハ・CX(YCL-851II)(2021年現在税込定価297,000円)

 ヤマハのカスタムモデルCXが堂々の1位です。このモデルは何といっても抜群のコストパフォーマンスと吹きやすさです。学校の吹奏楽部でも備品として使われているところが多いと思いますが、個人で使うのも十分ありだと思います。カスタムモデルとしては一番下のランクですが、上位のSE(CSは廃盤になりました)と比較しても劣らない楽器だと思います。

殿堂入り ビュッフェ・クランポン・R13(2021年現在税込み定価470,000円)

 高価な楽器になってしまいましたが、クラリネットの代名詞といえばこれ、ビュッフェ・クランポンのR13です。ランキングするまでもなく、1955年に発売されて以来のロングセラーであり、初心者経験者を問わず、クラリネットの一番人気です。プロの先生でもこのモデルを使われている方もおり、一度買ってしまえば一生使えるモデルだと思います。私も大学生の時に最初に買った楽器がこのR13でした。


 以上、個人的初心者に「本当に」オススメしたいクラリネットランキング5+1選でした。本当は他のメーカーでもオススメしたい楽器はたくさんあるのですが、入手のしやすさも加味してこのようなランキングにさせていただきました。なお、値段は税込定価ですが、楽器屋さんによってはいくらか値引きをしてもらえるところもありますので、お店の販売価格などを考慮して予算を立てていただけると幸いです。
 また、楽器を買う際はお店で実際に試奏して買われることをオススメします。楽器にも個体差があるので、ネットで買うのは必ずしも吹きやすい楽器を買えるとは限らないからです。また、ヤフオクやメルカリなどで買うのは安く買えるかもしれませんが、現状渡しの場合がほとんどで、改めて楽器屋さんに修理や調整に出さないといけない場合がほとんどになります。手間がかかってしまうので、最初の楽器はお店で実際に吹いて選ばれてください。
 それでは、快適なクラリネットライフを!

この文章はジオン軍ポメラ(DM11G)で執筆しました