初心者に「本当に」オススメしたいクラリネット

3年半ぶりです…

 前回更新したのが3年前の大晦日…、はい、ずっと放置しておりました。スミマセンm(_ _)m
特にこれから毎回…という更新にはならないと思いますが、ふと思いついたことがあったのでペン…ではなくキーボードに向かったわけです。
 ちなみに今回から文章はジオン軍ポメラことDM11Gで書くことにしました。
 古いガジェットなので変換はお馬鹿さんで折りたたみギミックも破損してしまいましたが、新たな役割ができたのでよしとします。


1万円や3万円のクラリネットをオススメしないで

 さて、今回このブログを書こうと思ったきっかけなのですが、自分がふと「初心者の人にオススメするクラリネットっていうと自分だったらこの機種だけど、ネットにはどう書かれているんだろ?」と思ってググってみたら、まあひどいことひどいこと。ランキング形式で書かれてある記事には上位に1万円や3万円の「クラリネットの形をしたオモチャ」が並んでいるものが多いこと。いや、それはないでしょ。
 1万円や3万円といった安いクラリネットは値段が安いだけでデメリットだらけなのです。いわば「安物買いの銭失い」。ざっと思いつくだけでもこれだけあります。

買った段階での調整が悪く吹きにくい。

 安物楽器は品質もよくないので、きちんと調整されたものはまずありません。吹こうとしても、音が出しにくく、出せたとしても奏法に悪い変な癖がついてしまいます。

壊れたときや調整したいときも楽器屋さんで取り扱ってもらえない。

 メジャーメーカーの楽器と違って安物楽器は楽器屋さんで修理してもらえません。メジャーメーカーであれば部品などのフォローがきちんとされているのですが、安物楽器ではそこまでのフォローがされていません。

材質がショボい

 安物楽器はたいていプラスチックで作られているものが多いです。まれに木製の楽器もあるのですが、メジャーメーカーで使われている「グラナディラ」ではない木材が使われています。メジャーメーカーでも安い楽器ではプラスチック製のものはありますが、音色はきちんとした楽器と比べると雲泥の差です。

 他にもいろいろとあると思いますが、以上の理由により安物楽器はオススメできません。ではなぜこのような楽器をオススメしているサイトが多いのか?
 それはアフィリエイトという広告収入のためだと思われます。商品のリンクをクリックさせて、その回数によって収入を得られるシステムです。安い楽器であれば、クリックされる回数も多くなるだろうと考え、そのような楽器をランキング上位に書いてあるのです。そのようなサイトは「自分のためのランキング」であり、本当に楽器を探している初心者のためのランキングではありません。くれぐれも騙されないように…


どんなメーカーの楽器がいいの?

 では先ほどからメジャーメーカーの楽器と言いましたが、具体的にはどのようなメーカーがいいでしょうか?クラリネット初心者が扱いやすいメーカーだと、以下のメーカーが挙げられます。
 ・ ビュッフェ・クランポン
 ・ ヤマハ
 ・ セルマー
 上記3メーカーなら、地方の楽器屋さんでも取り扱っていることが多いので、オススメできます。この他にもバックン、ルブラン、ヨーゼフ、ユーベルなど、いろいろなメーカーがありますが、このあたりのメーカーは地方では扱っていないことが多いのでまたの機会に紹介します。


個人的初心者にオススメなクラリネットランキング5+1選

 ここからは、個人的な主観ですが初心者に「本当に」オススメできるクラリネットをご紹介いたします。吹き手との相性や予算の関係もありますが、1本目はこの中から選ぶと間違いないと思います。あくまで個人的な感想です。

第5位 ヤマハ・YCL-650(2021年現在税込定価236,500円)

 ヤマハのプロフェッショナルモデル・YCL-650(以下650)を5位にしました。カタログの説明文によると「カスタムモデルの設計思想を惜しみなく注ぎ込んで完成した、プロフェッショナルモデル」とあります。
 個人的な感想だと、この楽器はヤマハならではの安定感があります。初心者にとってもほどよい抵抗感があるので、音色も一番下のクラス(YCL-450)よりまろやかな音がします。以前であれば20万円以下で買える楽器だったのですが、この値段になってしまったので5位になりました。

第4位 セルマー・プロローグ(2021年現在税込定価297,000円)

 セルマーのエントリークラス楽器・プロローグが4位です。この楽器はセルマーの最上位楽器・プリヴィレッジ、姉妹楽器プレザンスの系譜を持つ楽器で、前記2機種の音色を持ちながらコストを抑えている楽器です。細かいポイントを挙げると、ベルリングを変えることができ、気分を変えることができます。セルマーの楽器は吹き手との相性が大きく、合わない人には全く合わないのですが、合う人にはものすごく合います。また、どちらかというとあまり明るい音ではないところがあります(それがセルマーの持ち味でもありますが)。

第3位 ビュッフェ・クランポン・E13(2021年現在税込定価357,500円)

 ビュッフェ・クランポンの中級クラスクラリネットの王様、E13が第3位です。この楽器はスチューデントモデルのクラリネットとしてはバランスのとれた楽器で、上位モデルのC13よりも人気があります。数年前にリニューアルされ、ベルの先端が平らになり、パッドもレザーパッドになって耐久力が上がっています。このクラスの楽器であれば高校生の部活でも十分に使えるレベルの楽器といえます。以前と比べて価格が高価になったため、この順位にしました。

第2位 ビュッフェ・クランポン・E12F(2021年現在税込定価214,500円:標準パッケージ)

 ビュッフェ・クランポンのエントリーモデルE12Fが第2位です。第3位のE13と比較すると音色では劣りますが、この値段でレザーパッドを装備し、初心者でも吹きやすい楽器のためE13よりも上位としました。また価格も標準パッケージだとお求め安い価格帯になっています(トラディショナルパッケージだと税込236,500円)。第5位の650と比較するとこちらの方が新しく発売されたモデルなので、扱いやすいモデルとなっています。

第1位 ヤマハ・CX(YCL-851II)(2021年現在税込定価297,000円)

 ヤマハのカスタムモデルCXが堂々の1位です。このモデルは何といっても抜群のコストパフォーマンスと吹きやすさです。学校の吹奏楽部でも備品として使われているところが多いと思いますが、個人で使うのも十分ありだと思います。カスタムモデルとしては一番下のランクですが、上位のSE(CSは廃盤になりました)と比較しても劣らない楽器だと思います。

殿堂入り ビュッフェ・クランポン・R13(2021年現在税込み定価470,000円)

 高価な楽器になってしまいましたが、クラリネットの代名詞といえばこれ、ビュッフェ・クランポンのR13です。ランキングするまでもなく、1955年に発売されて以来のロングセラーであり、初心者経験者を問わず、クラリネットの一番人気です。プロの先生でもこのモデルを使われている方もおり、一度買ってしまえば一生使えるモデルだと思います。私も大学生の時に最初に買った楽器がこのR13でした。


 以上、個人的初心者に「本当に」オススメしたいクラリネットランキング5+1選でした。本当は他のメーカーでもオススメしたい楽器はたくさんあるのですが、入手のしやすさも加味してこのようなランキングにさせていただきました。なお、値段は税込定価ですが、楽器屋さんによってはいくらか値引きをしてもらえるところもありますので、お店の販売価格などを考慮して予算を立てていただけると幸いです。
 また、楽器を買う際はお店で実際に試奏して買われることをオススメします。楽器にも個体差があるので、ネットで買うのは必ずしも吹きやすい楽器を買えるとは限らないからです。また、ヤフオクやメルカリなどで買うのは安く買えるかもしれませんが、現状渡しの場合がほとんどで、改めて楽器屋さんに修理や調整に出さないといけない場合がほとんどになります。手間がかかってしまうので、最初の楽器はお店で実際に吹いて選ばれてください。
 それでは、快適なクラリネットライフを!

この文章はジオン軍ポメラ(DM11G)で執筆しました

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