持っているバスクラリネット YCL-622II

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■クラリネットの機種比較[セルマー・レシタル]

カタログ紹介文(2016年版セルマークラリネットカタログより)
管体木部を肉厚にしたユニークな設計により、他に類を見ないビロードのようになめらかで豊かな音を生み出すことに成功しました。
発売以来、長期にわたってヨーロッパのプロフェッショナル奏者たちに愛され続けています。
税込標準価格:in B♭ \680,400/in A \734,400 | 2割引価格(値引き目安):in B♭ \544,320/in A \587,520
個人的感想
セルマーの誇るベストセラー機種です。
特徴は何と言っても肉厚設計による素晴らしい響きを持つ音色です。
"純粋な"と形容するのがふさわしいと思われます。
セルマーの現行機種の中では昔のセルマーらしい音色を出せる楽器だと思います。
肉厚設計のため楽器自体の抵抗もかなり重めです。バスクラリネットを吹いている人には向いている楽器かもしれません。
発売当初、雑誌「パイパーズ」で特集された際には「大型車」と形容されていましたがそのくらい扱う力量が必要だと感じました。
個人的にはこの楽器が吹きこなせるようになるとハイレベルなクラリネット奏者と言っても過言ではないと思います。
長所
音色は他のメーカーの楽器と比較しても類を見ない純粋な響きがします。
また、息の許容量が大きいので大音量を要求される吹奏楽でも十分使えます。
普通の楽器だと吹き込みすぎると音が汚くなりがちになりますが、レシタルは管体の肉厚さにより綺麗な響きを生み出します。
短所
肉厚なため重量が普通の機種よりも重いので扱いに苦労します。必要に応じてストラップを使うのがよいでしょう。
楽器自体の抵抗もあるので初心者が吹くにはきついと思われます。経験者でも吹くのに体力が必要です。
他のセルマーの機種と同様、キィワークが多少違うので、ビュッフェ・クランポンやヤマハに慣れた人は違和感があると思われます。
以上の点を考えると、他の機種よりも人を選ぶ楽器だと言えそうです。
同一メーカー品との比較
・Saint Louis(サンルイ)との比較
サンルイはソリスティックで明るめな音色が特徴です。
どちらもいろんなシチュエーションで使える楽器ですが、サンルイがどちらかというと吹奏楽向きでレシタルがオーケストラ向きと言えそうです。 ソロ曲だとレシタルは比較的どのような曲でも対応できそうですが、サンルイはフランス系の曲が合いそうです。
Signature(シグネチャー)との比較
シグネチャーはカタログによるとレシタルのエッセンスを取り入れた楽器となっていますが、どちらかというとかなりドイツ系のダークな響きが特徴です。
吹奏楽でも使えますがシグネチャーの方がオーケストラ向きと言えそうです。
ヤマハのイデアルGが発売されるまではエーラー管に一番近い音色の機種がシグネチャーと言われてたので、ドイツ系のソロ曲はシグネチャーの方が雰囲気出そうです。
近価格帯他メーカー品との比較
・[ビュッフェ・クランポン]Tradition(トラディション)との比較
トラディションは昔のモデルをベースにして作られた比較的最近の機種ですが、音色的に似た方向性をもつ楽器と言えます。
トラディションはそこまで音量が出る楽器ではないので、どちらかと言うとソロ曲向けですが、レシタルは万能的に使えそうです。
キィワークや重量にかなり違いがあるので、ビュッフェ・クランポンにの楽器に慣れているとトラディションの方が使いやすいかもしれません。
・[ビュッフェ・クランポン]Vintage(ヴィンテージ)との比較
ヴィンテージはR13に似た音色ですが、よりクリアでダークな音が特徴的です。
レシタルよりも取扱いが楽なのでビュッフェ・クランポンの楽器に慣れているといい選択肢になります。
ただ、ヴィンテージは最近あまり見かけないので試奏する機会があまりなさそうです。
・[ヤマハ]イデアルGとの比較
イデアルGも方向性が若干違うものの、独特な音色を持っています。
それぞれに特徴があるので、好みで選ぶところになりそうです。
どちらかと言うとイデアルGはレシタルよりも扱いやすい楽器かなと思います。

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