■クラリネットの機種比較[ビュッフェ・クランポン・トラディション(旧版)]
"R13"が発売された1950年代以前の主力モデル"BC20"の内径に着想を得つつ、"R13"、"RC"両系統の内径をさらに進化させた「第三の内径」を持つ新モデル、"トラディション"が誕生しました。かつて"BC20"が生み出した質の高い純粋な音色と、"トスカ"にもとづいたトーン・ホールの配置をあわせ持つこの楽器は、全音域にわたる均一な音程と、クリアで柔らかい音色が特徴です。開発には、フランスおよびアメリカの名だたる<ビュッフェ・クランポン>アーティスト達の協力を得ています。
税込標準価格:in B♭ \637,200/in A \700,920 | 2割引価格(値引き目安):in B♭ \509,760/in A \560,736
どちらかと言うとマイナーチェンジ前のRCに近いかもしれません。
音色の純度が高く個人的には好みの音色ですが、音量的にはビュッフェ・クランポンの他の機種ほど出ません。
吹奏楽で使うよりもオーケストラやソロ曲で使いたい楽器です。
ビュッフェ・クランポンの楽器だとR13クラスの楽器とフェスティヴァルクラスの楽器の価格差が大きかったので、その間を埋めるような価格帯のこの楽器は注目されても良さそうです。
キィも扱いやすく、小指の替え指キィがこの価格帯でついているのも魅力です。
トーンホールがトスカの配置を参考にされているため音程も合わせやすくなっています。
そのため派手さがなく一般向けとは言いにくいところもあります。
新しく開発された内径ですが、クラリネットは過去にもいろいろな内径の楽器が出ては2種類に収束することが多かったので、これから進展するかどうかはビュッフェ・クランポンの開発体制にかかると思われます。
R13を基準に考えるとトラディションは音の純度は高いけれど音量が出ない感じがします。
用途で考えると吹奏楽をはじめ万能的に使えるR13と比較すると、トラディションが使えるシチュエーションは限られてきます。
ソロ曲で歌い上げたい場合はトラディションがオススメです。
マイナーチェンジ後のRCは音のきらめき感が増したので、Prestigeに近くなった印象です。
マイナーチェンジ前後の比較に似てきますが、素朴な音色が特徴だったマイナーチェンジ前の方が好きだった方にはトラディションが合うかもしれません。
ヴィンテージも過去のR13の内径をもとに作られた楽器なので、同じような古き良き温かさがあります。
音量面だとやはりヴィンテージの方がR13に近い分音量が出ます。
しかし、最近ヴィンテージは市場で見かけることが少なくなっている気がします。
CSVmasterも直線的な内径を持っているため、音色的には似たものがあります。
音量でいうとCSVmasterの方が大きめなので、使えるシチュエーションは多そうです。
イデアルGはCSVmasterより更にエーラー管寄りの楽器ですが、音色の純度は比較的似ているところがあります。
音色はそれぞれ独特なものを持っており、使えるシチュエーションも似てきます。
このあたりは好みが別れると思うので、実際に試奏して比較してみるのがいいでしょう。
レシタルも独特な管体を持ち、非常に特徴的な音色を持っています。
重量や抵抗感など体力を使うことが多いので、楽に吹きたいならトラディションが向いています。
イデアルG同様好みが別れる楽器なので、実際に試奏して比較してみるのがいいでしょう。
シグネチャーもエーラー管寄りの音色を持つ楽器で、非常に素晴らしい音色を出します。
音量的にはシグネチャーの方が出るので、若干オーケストラ向けと思われます。
キィワークも若干違うので、扱いやすい方を選びたいところです。