持っているバスクラリネット YCL-622II

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■クラリネットの機種比較[ビュッフェ・クランポン・トスカ]

カタログ紹介文(2017年版ビュッフェ・クランポンクラリネットカタログより)
限りなくエレガントで、圧倒的な美しいプロポーションを備えた"トスカ"は、クラリネット界の巨匠ミシェル・アリニョンの協力により、<ビュッフェ・クランポン>の豊富な経験とイノヴェーションから生まれた傑作です。<ビュッフェ・クランポン>の最大の強みは、ギイ・ドゥプリュ、パスカル・モラゲス、ローマン・ギュイヨなどのエコール・フランセーズにおける偉大な奏者とともに、新たな楽器の開発ができることです。
"トスカ"は、色彩豊かなハーモニーと最高の響きを備えており、はっきりとした音の芯と、限りなく丸みのある音を感じることができます。豊かなハーモニーと独特の響きを備えた"トスカ"の音色が奏者に与える充足感は、圧巻です。そのレスポンスの素晴らしさと柔軟性、心地よい吹奏感は他の追従を許しません。これこそが"R13"系統の頂点に立つ、この楽器の真髄です。
税込標準価格:in B♭ \1,134,000/in A \1,247,400 | 2割引価格(値引き目安):in B♭ \907,200/in A \997,920
個人的感想
通称「トスカ様」。今や高級クラリネットの代名詞になっています。
一番の特徴は圧倒的な鳴りと響きで、特にグリーンライン仕様の楽器では反則と思えるくらいよく鳴ります。
おそらく日本のプロ奏者が一番使っている楽器ではないかと思われます。
アマチュアの人でもこの楽器を所有している人が多く、ビュッフェ・クランポンの楽器の中でも一番憧れる楽器と言えそうです。
聞いた話ですが、トスカが出た初期ロットと現在のロットでは響きが違うと言われており、初期ロットではどちらかというとエーラー管に近い音色がしたとのことです。
長所
個人的感想でも書いたとおり、グリーンライン仕様の楽器は圧倒的に鳴って響きます。
低音の音程補正キィがあるので、音程を合わせにくい最低音も楽に合わせることができます。
人間工学に基づいたキィデザインを採用しているので、細かいパッセージでも指が回しやすくなっています。
R13系統の楽器ですが、吹奏楽やオーケストラなどあらゆるジャンルに対応することができます。
短所
鳴りがすごいので、下手な吹き方をするとうるさく感じてしまいます。
また、楽器の個性が強いので、よほどの吹き手でないと奏者の個性が埋もれてしまいます。
グラナディラ仕様の楽器ではグリーンライン仕様よりもまとまった音になりますが、基本設計がグリーンラインでの製造を前提に設計されているため、やや物足りなく感じてしまいます。
音程補正キィが右手の小指にあるため、慣れるまでは小指を使うパッセージが扱いづらいかもしれません。
希望小売価格が100万円台なので、(楽器店によっては値引きされるかもしれませんが)他メーカーの高級機種より更に高価格帯の楽器になります。
同一メーカー品との比較
・Festival(フェスティヴァル)との比較
どちらもR13系統の楽器ですが、トスカは鳴りや響きが突出しているのに対し、フェスティヴァルはバランスが良くまとまった音色が特徴です。
どちらも高価格帯の楽器になるので、操作感やなり具合の相性によって決めるのがよさそうです。
ちなみに筆者は自分で吹いた感じや他人が聴いた印象で判断するとトスカよりもフェスティヴァルの方が相性が良さそうでした。
・Divine(ディヴィンヌ)との比較
ビュッフェ・クランポンの最高機種同士の比較になりますが、性格は正反対です。
ディヴィンヌはRC系統の最高機種ですが、とにかく上品な音が特徴的です。
外向的な音色のトスカと比べると内向的な音色と言えそうです。
ソロ曲や室内楽で上品な曲調で仕上げたいならディヴィンヌがよさそうです。
吹奏楽みたいに音量が欲しい場合はトスカの方が合いそうです。
近価格帯他メーカー品との比較
・[ヤマハ]SE ArtistModel(SEアーティストモデル)との比較
SEアーティストモデルはヤマハのクラリネット最高機種になります。
どちらもR13を吹いていた人が楽器を買い換える対象として有力な選択肢になります。
鳴りや響きのパワーはトスカに軍配が上がります。
一方、SEアーティストモデルは音程の正確さの他に全体的なバランス面が優れています。
音程補正キィはトスカが右手小指、SEアーティストモデルが右手親指(管体の裏側)に配置されています。
価格帯からするとトスカの方が上になりますが、どちらも非常によくできている楽器なので選定の際は好みで選ぶのがよさそうです。
・[セルマー]Previlege NewVersion(プリヴィレッジ・ニューヴァージョン)との比較
プリヴィレッジ・ニューヴァージョンはセルマーのクラリネット最高機種になります。
こちらもSEアーティストモデルやフェスティヴァルみたいに全体的なバランス面が優れています。
セルマーの機種特有のキィメカニズムは合う人合わない人がいると思いますが、この楽器は音程補正キィなしで最低音の音程を改善させているので、余計なキィがなくてスッキリしています。
音程補正キィが邪魔で必要ないという人にはプリヴィレッジ・ニューヴァージョンがいいかもしれません。

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